2023年11月 デジタル化のハザマの学生時代

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 先日の職場からの帰り道、青山一丁目の駅まで歩いていたところ、向こうから見覚えのある顔が。。。すれ違いざまに声を掛けてみると、やっぱり。彼は中学、高校、さらには大学の同級生。特に大学受験のために通った塾ではずっと同じクラスだった古い友人です。最も多くの時間を共有していたのはその塾にいたころかもしれませんが、大学まで同じ学校に通った友人なんて片手で数えるほどしかいません。そんな彼と最後に会ったのはおそらく大学の卒業式。あれから15年以上の月日が流れていました。私には彼のように疎遠になっている友人が多くいます。

 私は小学生の時にポケベル、中学生でPHS、高校生時代に携帯電話が普及しました。スマホが登場して、電話番号やメールアドレスを使用しなくなり、LINEが日本のスタンダードな連絡手段になったのは社会人になって数年たったころ。自分を取り巻くコミュニティの変化と連絡手段の変化が重なり、SNS音痴な私は多くの学生時代の友人との繋がりが切れてしまいました。

 個人情報の管理の仕方も同時に変化しました。私の中学校では、入学と同時に生徒全員の住所録が配布されたことを覚えています。その後、住所は簡単には教えないものになりました。私の親のように、年賀状を交わして近況報告、という習慣はありません。(しようとしなかっただけ?)

 思えば、フィルムを使用した写真から、デジカメへ、そしてスマホでいつでもどこでも、というライフスタイルも、大学生から社会にでた時期に急激に変化しました。私の写真は、親が撮影していてくれた幼少期のもの、スマホでとるようになって以降のものはありますが、高校生・大学生のころは空白の期間です。茶髪で襟足長め(!)だったころの写真はほとんど残っておらず、当時を思い出して、友人に連絡・・なんて発想が全く生まれてきません。

 そうか、自分はデジタル化のハザマに学生時代があったんだ、だから昔の友人との交流が少ないんだ。ついにズボラな自分に言い訳を見つけました。

 15年ぶりにばったり再会した彼と、今度飲みに行こう!といって別れたものの、LINEを見ても名前が見当たらない。。。そうか、当時はガラケーのメールだったもんな、えーと彼と仲良かった共通の友達はいないかな、と古い記憶をたどりながら、旧交を温めることを楽しみにしています。


2023年11月 HT